長時間労働がメンタルヘルスに与える影響

夜遅くまでデスクで働く会社員が疲労と不安を抱えている様子を描いたイラスト|長時間労働とメンタルヘルスの関係
長時間労働は、不安や不眠、抑うつなどメンタルヘルス不調の大きな要因となります。

長時間労働は、心身の健康に深刻な影響を及ぼすことが知られています。特にメンタルヘルスへの悪影響は見えにくく、気づいた時には不調が進行しているケースも少なくありません。本記事では、長時間労働がメンタルに与える影響と、企業・個人が取るべき対策について普段の産業医経験もふまえて解説します。また、現役精神科医・産業医の立場から、休職を繰り返す社員への対応について、人事・管理職・経営者向けに実務的に解説します。

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産業医面談、ストレスチェック、高ストレス者面談、意見書対応、 休職・復職判断まで、企業の安全配慮義務に直結する実務を 現役精神科医産業医の視点で体系的に解説した準主幹記事です。
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長時間労働とは?基準と現状

仕事や職場対応について考え悩むビジネスパーソンのイメージ画像
判断に迷う場面こそ、冷静な視点と専門的な助言が求められます

長時間労働の定義

一般的に、以下のような勤務状況は長時間労働と考えられます。

  • 月45時間を超える時間外労働
  • 月80時間以上の残業(過労死ライン)
  • 休日出勤が常態化している状態

これらは、労働基準法や労災認定基準でも重要な指標とされています。

日本における長時間労働の現状

日本では働き方改革が進められているものの、

  • 人手不足
  • 業務の属人化
  • 管理職の長時間労働

などにより、依然として長時間労働が解消されていない職場も多く存在します。

長時間労働がメンタルヘルスに与える影響

うつ病・適応障害のリスク増加

長時間労働が続くと、脳と自律神経が慢性的なストレス状態に置かれます。その結果、

  • 気分の落ち込み
  • 興味・関心の低下
  • 意欲低下、集中力低下

といったうつ症状が出現しやすくなります。

不安障害・睡眠障害との関連

業務量や責任が過度になると、

  • 強い不安感
  • 寝つきが悪い、途中覚醒
  • 休日でも仕事のことが頭から離れない

といった症状が現れ、不安障害や睡眠障害につながることもあります。

バーンアウト(燃え尽き症候群)

特に真面目で責任感の強い人ほど、

  • 「限界まで頑張る」
  • 「休むことに罪悪感を感じる」

傾向があり、ある時突然、心が折れてしまうケースがあります。これがバーンアウトです。

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長時間労働によるメンタル不調のサイン

職場の課題やメンタルヘルスの気づきを象徴する電球のイメージ画像
職場での「気づき」や判断の重要性を象徴するイメージ

初期に見られやすいサイン

以下のような変化は、メンタル不調の初期サインです。

• ミスが増える

• イライラしやすくなる

• 仕事の効率が落ちる

• 朝起きるのがつらい

重症化するとどうなるか

放置すると、

  • 欠勤・遅刻の増加
  • 出社困難
  • 自責感や希死念慮

といった深刻な状態に進行する可能性があります。

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休職者対応だけでなく、未然防止や再発予防、職場環境の調整まで含めた企業のメンタルヘルス対策について、 産業医の実務視点からわかりやすく解説しています。

企業がとるべき対策|産業医の視点から

労働時間の可視化と是正

まず重要なのは、

  • 実労働時間の正確な把握
  • サービス残業の是正
  • 業務量の適正配分

です。

産業医・産業保健スタッフの活用

産業医面談を形だけにせず、

  • 長時間労働者への定期面談
  • メンタル不調の早期発見
  • 管理職への助言

を行うことで、休職・離職の予防につながります。

管理職へのメンタルヘルス教育

長時間労働の背景には、

  • 業務の抱え込み
  • 部下への業務分配不足

があることも多く、管理職教育は重要です。

個人ができるセルフケアと相談のタイミング

川口市でメンタルヘルス対応を行う産業医と都市部企業の職場環境イメージ
産業医のニーズが年々高まっています

無理をしないための考え方

  • 「忙しい時期だから仕方ない」が続いていないか
  • 休息を取ることはパフォーマンス向上につながる

という視点を持つことが大切です。

早めに相談すべきサイン

以下に当てはまる場合は、早めの相談を勧めます。

  • 疲労が2週間以上取れない
  • 仕事への不安が強い
  • 睡眠や食欲に変化が出ている

産業医や主治医への相談は、決して「弱さ」ではありません。

2025年の長時間労働面談経験をふまえて

2025年度もたくさんの長時間労働面談を行ってきました。その中で、気づいたこと等をお話しします。長時間労働の方は抑うつ症状、不眠、食思不振といった症状をきたしやすい傾向があると感じます。特に60時間の残業時間のラインは毎日平均3時間程度残業していて、日常生活への影響も見られるラインではないかと思います。長時間労働が常態化すると、知らないうちにストレスがかかり、精神的に追い込まれてしまうことも多々あります。そのため、長時間労働者への面談を行うことは、予防医学的な観点からも重要であると感じます。メンタル産業医センターでは長時間労働者へのオンライン面談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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まとめ|長時間労働とメンタルヘルスは切り離せない

職場における思いやりや配慮、メンタルヘルス支援を象徴するハートのイメージ画像
従業員への配慮や支援の姿勢が、職場の安心感につながります

長時間労働は、知らず知らずのうちにメンタルヘルスへ大きな負担を与えます。

企業にとっても、個人にとっても、

  • 早期対応
  • 専門家の介入
  • 働き方の見直し

が、持続可能な働き方につながります。

この記事の執筆者

Dr.Y(精神科医・産業医)

国立大学医学部を卒業後、都内の基幹病院で初期研修を修了。 その後、首都圏の急性期精神科病院に勤務し、 統合失調症、双極性障害、うつ病、依存症、認知症など 幅広い精神疾患の診療に従事。
現在は複数企業の選任産業医として、 復職支援、メンタルヘルス不調者対応、労務トラブル予防、 組織改善支援を行っている。

※本記事は精神科医・産業医としての専門的知見に基づき執筆しています。 個人が特定されないよう配慮し、プライバシー保護を最優先としています。

企業のメンタルヘルス対応で、判断に迷ったら

本記事は一般的な考え方をまとめたものです。 休職・復職対応、産業医面談、職場配慮の判断は、 企業の状況や従業員の状態によって異なります。

社内だけで判断が難しい場合は、 精神科専門の産業医に相談することで、 リスクを抑えた対応が可能になるケースもあります。

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