産業医面談で話すべき内容

現役精神科医・産業医の立場から、当該社員への対応について、人事・管理職・経営者向けに実務的に解説します。
産業医面談とは?目的と役割をまず押さえる

産業医面談とは、従業員の健康状態を確認し、就業に伴うリスクを評価する面談のことです。
2025年時点では以下の目的が明確に求められています。
- 心身の不調を早期に発見する
- 労働時間や働き方が健康へ与える影響を評価する
- 休職や復職におけるリスクを判断する
- 産業医として医学的意見書を作成する
面談は「本人の訴えを聞く場」ではなく、
“医学的評価”と“就業可能性の判断”をする場である点が重要です。
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産業医面談で必ず確認すべき6つのポイント

① 心身の症状(メンタル・フィジカル)
- 睡眠の質
- 食欲の変化
- 抑うつ症状・不安症状
- 業務中の集中力低下
- 動悸・息切れ・自律神経症状
2025年は “睡眠負債”と“自律神経症状” の相談が非常に多く、Google検索でも関連ワードが増加傾向にあります。
②労働時間・残業時間の影響
長時間労働はメンタル悪化の最大リスクであり、特に45時間や80時間ラインの確認は求められます。
• 最近1か月の残業
• 深夜勤務の有無
• シフトの連続性
• 職場の緊張度・配置転換の変化
③職場環境・人間関係のストレス要因
• 上司との関係
• 業務量の偏り
• ハラスメントリスク
• 在宅勤務での孤立
• チーム内のトラブル
精神科医視点では、職場のストレスは症状悪化のトリガーになりやすいため深掘りすることが重要です。
④ 就業可否の判定に必要な「生活リズム」
復職・就業継続の判断材料としてとても重要です。
• 起床・睡眠時間
• 通勤耐性(満員電車に乗れるか)
• 日中の活動量
• 服薬状況
生活リズムが整っていない従業員は、復職しても再発しやすいと言われてます。
⑤ 医学的に必要な配慮措置の整理
• 時短勤務
• 業務量の調整
• 配属変更
• 在宅勤務の期間設定
• 通院日確保
企業側に伝えるべき内容は、
「医学的に必要な配慮」+「期間」+「再評価時期」 の3点が最重要と考えます。
⑥ストレスチェック結果の確認
ストレスチェックテストを確認してストレス要因を分析することも重要と考えます。
面談前にご自身のストレス状態をチェックしておくと、対話がスムーズです → ストレスチェックテストはこちら
産業医面談の流れ(テンプレート)【実務者向け】
1. 問診(自由訴え+具体的質問)
2. 労働状況の把握(客観的データ必須)
3. メンタル状態評価(職場でのパフォーマンス)
4. 医学的意見(就業可否・配慮事項)
5. 企業担当者へのフィードバック(文書化)
この流れを押さえると、トラブル減・企業満足度UP・社員の安全確保につながります。
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産業医面談でよくあるNG行動(企業が嫌がるポイント)

医学的根拠のない「とりあえず休ませて」指示
→ 信頼を落とすためやってはいけないNG行動と考えます。
配慮措置の期限を決めない
→ 永久時短・永久在宅を生む原因となるため配慮措置の期限を決めることが重要です。
本人の感情に寄りすぎて客観性を失う
医学的・法的整合性が最重要と考えます。
2025年版・産業医面談で特に増えるテーマ
最新の労働・感染症トレンドを反映させています。
• 長時間労働による自律神経失調
• 睡眠障害(特に朝起きられない)
• 不安障害/パニック症
• 新型コロナ後遺症の倦怠感
• ADHD・ASDの気づき(成人発達)
• 栄養不足・運動不足
• 在宅勤務による孤立感
等が産業医面談として増えている事柄と思われます。
数百件の2025年度の産業医面談経験をふまえて

2025年度ではまだ終わっていないですが、今年度行った数百件(300件程度)の産業医面談をもとにお話しさせていただきます。気分が落ち込む、やる気が起きない、食事が摂れなくなる、眠れないといった多岐にわたる症状を訴えておりました。原因としてはさまざまな要因が考えられますが、仕事でのストレス(業務量、業務内容、人間関係)が多いように思われます。特に人間関係での要因が多かったように思われます。人間関係での悩まれている方の中には発達障害を公表している方もいらっしゃり、周囲の方に理解されないなどと訴える方も多かったです。適宜傾聴し、悩んでいる原因は何かを考えていき、また職場全体でどのように解決策を練っていくか、面談者が望む職場環境と職場が面談者に期待することの折衷案を一緒に考えていくことが面談の意義ではないかと考えます。昨今複雑化する世の中で情報量も多く対応していくのが難しいですが、適宜休みながら行っていくことが重要だと思います。休職面談、復職面談、高ストレス者面談等面談を行っておりますのでご相談等ございましたら、お気軽にご連絡ください。
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この記事の執筆者
Dr.Y(精神科医・産業医)
国立大学医学部を卒業後、都内の基幹病院で初期研修を修了。
その後、首都圏の急性期精神科病院に勤務し、
統合失調症、双極性障害、うつ病、依存症、認知症など
幅広い精神疾患の診療に従事。
現在は複数企業の選任産業医として、
復職支援、メンタルヘルス不調者対応、労務トラブル予防、
組織改善支援を行っている。
※本記事は精神科医・産業医としての専門的知見に基づき執筆しています。 個人が特定されないよう配慮し、プライバシー保護を最優先としています。
企業のメンタルヘルス対応で、判断に迷ったら
本記事は一般的な考え方をまとめたものです。 休職・復職対応、産業医面談、職場配慮の判断は、 企業の状況や従業員の状態によって異なります。
社内だけで判断が難しい場合は、 精神科専門の産業医に相談することで、 リスクを抑えた対応が可能になるケースもあります。
お問い合わせはこちら※ご相談内容により、返信までお時間をいただく場合があります。


