なぜ復職後すぐ再休職するのか

復職後に再休職してしまう原因を産業医の視点で解説するアイキャッチ画像
復職がゴールではなく、再発を防ぐ設計が必要である。

「復職したのに、数週間〜数か月でまた休職してしまう」―― これは珍しいことではなく、むしろ構造的に起きやすい現象です。 現場では本人の問題と誤解されがちですが、多くの場合は 復職プロセスと職場設計の問題が再休職を招いています。

本記事では産業医の視点から、復職後すぐ再休職する理由を整理し、 企業・人事・上司が取るべき対策を解説します。

産業医メモ: 再休職は「本人の弱さ」ではなく、復職設計の失敗で起きることがほとんどです。

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復職後すぐ再休職する主な理由

仕事や職場対応について考え悩むビジネスパーソンのイメージ画像
判断に迷う場面こそ、冷静な視点と専門的な助言が求められます

① 回復が「部分的」なまま復職している

症状が軽くなった=働ける、ではありません。 睡眠・集中力・疲労回復・対人耐性などが十分に戻らないまま復職すると、 数週間で限界を迎えます。

② 業務量・責任が元に戻るのが早すぎる

復職初日から通常業務に戻る、重要案件を任されるなど、 復職直後の負荷が高すぎると再燃しやすくなります。

③ 職場の人間関係が変わっていない

原因が上司・同僚・評価制度・ハラスメントだった場合、 環境が変わらなければ症状は再発します。

④ 「周囲の期待」がプレッシャーになる

「もう大丈夫だよね」「フルでお願いね」という空気が、 本人の無理を引き出し、再休職につながります。

⑤ 主治医・産業医・会社の認識がズレている

復職可否の基準が曖昧だと、会社側の想定と本人の実力にギャップが生じます。

⑥ リハビリ勤務(慣らし)が機能していない

名ばかりの短時間勤務・在宅勤務では、 本来の業務負荷を測れず、復職後に破綻します。

⑦ 「再発してはいけない」不安が強すぎる

再休職経験者ほど、失敗への恐怖が強く、 緊張状態が続いて自律神経が崩れやすくなります。

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再休職を防ぐために企業がやるべきこと

産業医や人事担当者が就業判断のために書類を確認・記入している様子
就業判断や配置転換では、記録と手順の整理が重要です。

1. 復職基準を「症状」ではなく「機能」で判断する

  • 睡眠が安定しているか
  • 疲労が翌日に残らないか
  • 集中力が一定時間保てるか
  • 対人ストレスに耐えられるか

2. 業務負荷は段階的に上げる

最低でも4〜8週間の慣らし期間を設け、 業務量・責任・評価を明確に分けて設計します。

3. 原因が職場なら環境を変える

配置転換・上司変更・業務内容変更を検討しない復職は、 再休職リスクが高くなります。

4. 定期フォロー面談を必ず入れる

復職後1週・2週・1か月・3か月で必ず面談を行い、 無理が出ていないかを早期に確認します。

5. 産業医・人事・上司で役割を分ける

上司がすべて抱え込まない体制が、 再休職の最大の予防になります。

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本人に伝えるべき重要な一言

職場の課題やメンタルヘルスの気づきを象徴する電球のイメージ画像
職場での「気づき」や判断の重要性を象徴するイメージ

「再休職=失敗ではありません。無理をしないことが最優先です」

この一言があるだけで、本人は無理を隠さなくなり、 結果的に再発が減ります。

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まとめ

職場における思いやりや配慮、メンタルヘルス支援を象徴するハートのイメージ画像
従業員への配慮や支援の姿勢が、職場の安心感につながります

復職後すぐの再休職は、本人の問題ではなく 復職設計と職場環境の問題です。

復職を「ゴール」にするのではなく、 安定して働き続けられる状態をゴールに設定することが、 再休職を防ぐ最も重要なポイントです。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の復職判断は主治医・産業医・会社の三者で協議してください。

この記事の執筆者

Dr.Y(精神科医・産業医)

国立大学医学部を卒業後、都内の基幹病院で初期研修を修了。 その後、首都圏の急性期精神科病院に勤務し、 統合失調症、双極性障害、うつ病、依存症、認知症など 幅広い精神疾患の診療に従事。
現在は複数企業の選任産業医として、 復職支援、メンタルヘルス不調者対応、労務トラブル予防、 組織改善支援を行っている。

※本記事は精神科医・産業医としての専門的知見に基づき執筆しています。 個人が特定されないよう配慮し、プライバシー保護を最優先としています。

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本記事は一般的な考え方をまとめたものです。 休職・復職対応、産業医面談、職場配慮の判断は、 企業の状況や従業員の状態によって異なります。

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