休職中のフォロー面談とは?確認事項と企業側の注意点

メンタルヘルス不調などで社員が休職した後、企業では定期的にフォロー面談を行うことがあります。休職中のフォロー面談は、復職を急がせるための面談ではなく、本人の療養状況を必要な範囲で確認し、会社との連絡を維持しながら、今後の手続きや復職準備につなげるためのものです。一方で、面談の進め方を誤ると、本人が復職を催促されていると感じたり、病状や私生活について必要以上に聞かれていると受け止めたりすることがあります。企業側は面談の目的を明確にし、本人の体調に配慮しながら実施することが重要です。
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休職中のフォロー面談を行う目的

休職中のフォロー面談には、本人の体調や療養状況を確認するだけでなく、会社との連絡が途絶えることを防ぎ、休職期間中に必要となる手続きや今後の見通しを共有する目的があります。休職中の社員は、職場から離れていることで「会社から忘れられているのではないか」「休職期間が終わったらどうなるのか」と不安を抱えることがあります。定期的な面談によって次回の連絡時期や必要な手続きを共有しておけば、本人の不安を軽減しやすくなります。ただし、企業が治療そのものを管理することや、面談によって復職可否を直ちに決定することが目的ではありません。
フォロー面談を行う時期と頻度
休職中のフォロー面談を行う時期や頻度に一律の基準はなく、本人の病状、休職期間、主治医の意見、社内規程などを踏まえて個別に設定します。休職直後は会社とのやり取り自体が負担になることがあるため、まずは治療と休養を優先し、必要な事務連絡にとどめる場合もあります。その後は月に1回程度、診断書の更新時期、主治医の受診後などに合わせて面談を行う方法が考えられます。面談頻度を企業側だけで決めるのではなく、本人が対応しやすい連絡方法や時間帯を確認し、次回の予定をあらかじめ共有しておくことが望まれます。
休職中のフォロー面談で確認すること

フォロー面談では、病状を細かく聞き出すのではなく、療養や復職準備に関係する範囲で状況を確認します。具体的には、睡眠や食事などの生活リズム、日中の活動状況、外出の頻度、通院の継続状況、会社からの連絡による負担、休職期間や必要書類の認識などが主な確認事項になります。回復が進んでいる段階では、通勤時間帯に起床できているか、一定時間の外出や読書が可能か、集中力や疲労感がどの程度改善しているかなどを確認することもあります。ただし、これらの情報だけで企業担当者が復職可能と判断するのではなく、主治医の診断書や産業医面談を踏まえて総合的に検討する必要があります。
面談前に本人へ目的を伝える
休職中の社員は、会社から面談を案内されると、「復職を迫られるのではないか」「退職の話をされるのではないか」と不安になることがあります。そのため、面談を案内する際には、療養状況と必要な手続きを確認するための面談であること、現時点で復職を求めるものではないこと、話せる範囲で構わないことを伝えておくとよいでしょう。面談時間も長くなりすぎないようにし、オンライン、電話、対面など、本人の体調に応じた方法を選択します。体調が悪く面談が難しい場合には、無理に実施せず、メールや書面による確認へ切り替えることも検討します。
フォロー面談で避けたい質問

休職中のフォロー面談では、診断名、服薬内容、過去の病歴、家庭内の問題などを必要以上に詳しく聞くことは避けるべきです。また、「いつ復職できますか」「もう元気そうなので戻れますよね」といった質問は、本人に焦りや罪悪感を与える可能性があります。休日の外出や旅行についても、外出できることと就業できることは同じではないため、「遊びには行けるのになぜ働けないのか」と評価することは適切ではありません。企業が確認すべきなのは、業務遂行能力や安全配慮に関係する範囲であり、治療内容や私生活の詳細まで把握する必要はありません。
面談内容は記録しておく
休職中のフォロー面談を実施した際には、実施日時、参加者、本人から確認した内容、会社から説明した事項、次回の連絡予定などを記録しておくことが重要です。記録には推測や感情的な評価を入れず、「元気そうだった」「復職する気がないように見えた」といった主観的な表現は避けます。本人の発言や確認できた事実を簡潔に整理し、健康情報については社内で閲覧できる人を必要な範囲に限定します。面談記録を適切に残しておくことで、担当者が交代した場合にも対応を継続しやすくなり、復職判断までの経過も整理できます。
主治医の診断書と産業医面談の役割

主治医の診断書は、治療を担当する医師が本人の病状や療養の必要性について示すものです。一方、企業には実際の業務内容、職場環境、通勤負担、残業や出張の有無など、主治医が十分に把握していない情報があります。そのため、主治医から復職可能とする診断書が提出された場合でも、企業は直ちに元の業務へ戻すのではなく、産業医面談を通じて就業上の配慮や復職条件を検討することが望まれます。休職中のフォロー面談で把握した生活状況や本人の不安も、産業医が復職準備の進み具合を判断する際の参考になります。
復職が近づいた場合のフォロー面談

本人の体調が改善し、主治医から復職について検討できる段階に入った場合には、通常の療養確認から復職準備を目的とした面談へ移行します。この段階では、勤務時間に合わせた生活リズムが整っているか、通勤が可能か、一定時間の活動を継続できるか、再発につながった職場要因が整理されているかなどを確認します。また、短時間勤務、残業制限、出張制限、業務量の調整など、復職後に必要となる配慮についても検討します。本人の希望だけで復職日を決定せず、主治医の診断書、産業医の意見、会社の受け入れ体制を踏まえて進めることが大切です。
これまでの産業医経験を踏まえて

これまで産業医として休職中の社員との面談に関わっていると、企業側は状況確認のつもりで質問していても、本人は復職を催促されていると受け止めていたケースがあります。一方で、休職後に会社からほとんど連絡がなく、本人が「見放されたのではないか」と不安を強めていたケースもありました。フォロー面談で重要なのは、質問項目を機械的に確認することではなく、現在が十分な休養を必要とする時期なのか、生活を整える時期なのか、復職準備へ進む時期なのかを見極めることです。また、面談の最後に次回の連絡予定と本人が行う手続きを明確にしておくと、休職者の不安を軽減し、企業側も継続的に対応しやすくなります。
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まとめ

休職中のフォロー面談は、復職を急がせるためではなく、本人の療養状況を必要な範囲で確認し、会社とのつながりを維持しながら今後の手続きや復職準備につなげるために行います。面談前には目的を説明し、本人の体調に応じて実施方法や頻度を調整することが重要です。面談では病状や私生活を必要以上に聞かず、生活リズム、通院状況、会社との連絡による負担、必要な手続きなどを中心に確認します。対応に迷う場合や復職が近づいている場合には、人事担当者だけで判断せず、産業医や主治医と連携しながら進めることが望まれます。
この記事の執筆者
Dr.Y(精神科医・産業医)
国立大学医学部を卒業後、都内の基幹病院で初期研修を修了。
その後、首都圏の急性期精神科病院に勤務し、
統合失調症、双極性障害、うつ病、依存症、認知症など
幅広い精神疾患の診療に従事。
現在は複数企業の選任産業医として、
復職支援、メンタルヘルス不調者対応、労務トラブル予防、
組織改善支援を行っている。
※本記事は精神科医・産業医としての専門的知見に基づき執筆しています。 個人が特定されないよう配慮し、プライバシー保護を最優先としています。
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本記事は一般的な考え方をまとめたものです。 休職・復職対応、産業医面談、職場配慮の判断は、 企業の状況や従業員の状態によって異なります。
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