発達障害の社員を辞めさせたいと思った時の正しい対応

「正直、もう限界」「現場が回らない」―― 発達障害の社員対応において、このような悩みを持つ企業は少なくありません。
ただし重要なのは、 感情的に対応するのではなく、法的リスクを踏まえた適正なプロセスを踏むことです。
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大前提:すぐに解雇はできない

発達障害の有無に関わらず、 能力不足やミスマッチだけでの解雇は極めてハードルが高いのが実務です。
- 合理的配慮の検討
- 指導・改善機会の付与
- 配置転換の検討
これらを行わずに解雇すると、 労務トラブルに発展するリスクがあります。
まずやるべき対応

① 問題を具体化する
「使えない」ではなく、どの業務で何が起きているかを明確にします。
② 記録を残す
指導内容・面談・改善状況を客観的に記録します。
③ 指導の見直し
抽象的な指示ではなく、具体的・再現可能な形にします。
改善に向けたステップ

① 業務調整
- 業務の細分化
- 優先順位の明確化
- 負荷の調整
② 配置転換の検討
業務適合性を見直します。
③ 産業医・人事の関与
個人問題ではなく組織課題として扱います。
④ 本人との合意形成
一方的ではなく、対話を重ねます。
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それでも難しい場合の対応

① 配置転換の継続検討
他部署・他業務での可能性を探ります。
② 業務範囲の限定
現実的に遂行可能な範囲に調整します。
③ 退職の提案(慎重に)
本人の意思を尊重しながら行う必要があります。
やってはいけない対応

① 感情的な指導
トラブルの原因になります。
② 記録なしの判断
法的リスクが高まります。
③ 突然の解雇
ほぼ確実に問題になります。
④ 放置する
問題が拡大します。
本記事では一部の具体対応を解説しましたが、実際の現場では「個別対応」だけでは不十分です。
会社としてのルール設計・上司対応・産業医連携まで含めた全体戦略が重要になります。
以下の記事では、発達障害の従業員対応を企業視点で体系的にまとめています。
発達障害の従業員とどう接するか|企業がやるべき対応まとめ
実務のポイント

- 「改善機会を与えたか」が最重要
- 「合理的配慮を検討したか」を問われる
- 「組織として対応したか」が鍵
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まとめ

発達障害の社員を「辞めさせる」前に、 適切なプロセスを踏んだかどうかが最も重要です。
感情ではなく、 記録・手順・組織対応で判断することが実務の基本となります。
▼発達障害対応の全体像はこちら
個別対応だけでなく、組織設計が重要です。
発達障害の従業員とどう接するか|企業対応まとめ
この記事の執筆者
Dr.Y(精神科医・産業医)
国立大学医学部を卒業後、都内の基幹病院で初期研修を修了。
その後、首都圏の急性期精神科病院に勤務し、
統合失調症、双極性障害、うつ病、依存症、認知症など
幅広い精神疾患の診療に従事。
現在は複数企業の選任産業医として、
復職支援、メンタルヘルス不調者対応、労務トラブル予防、
組織改善支援を行っている。
※本記事は精神科医・産業医としての専門的知見に基づき執筆しています。 個人が特定されないよう配慮し、プライバシー保護を最優先としています。
企業のメンタルヘルス対応で、判断に迷ったら
本記事は一般的な考え方をまとめたものです。 休職・復職対応、産業医面談、職場配慮の判断は、 企業の状況や従業員の状態によって異なります。
社内だけで判断が難しい場合は、 精神科専門の産業医に相談することで、 リスクを抑えた対応が可能になるケースもあります。
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