メンタル不調とチーム|職場全体への影響とチームで考える対応

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社員のメンタル不調では、本人への配慮だけでなく、仕事を引き継ぐ社員や管理職を含めたチーム全体の負担を確認することが重要です。

社員のメンタル不調は本人だけの問題として捉えられがちですが、実際の職場ではチーム全体にも影響します。不調者の仕事を周囲が引き継いだ結果、別の社員へ負担が集中したり、休職理由が分からないことで憶測が広がったりすることもあります。一方で、本人の健康情報をチーム内で詳しく共有することも適切ではありません。メンタル不調者への配慮と、残されたメンバーの負担管理を同時に考えることが重要です。本記事では、メンタル不調とチームの関係について、産業医の実務経験を踏まえて解説します。

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メンタル不調はチーム全体に影響することがあるこ

仕事や職場対応について考え悩むビジネスパーソンのイメージ画像
判断に迷う場面こそ、冷静な視点と専門的な助言が求められます

一人の社員が体調を崩すと、欠勤や業務量の低下によって周囲が仕事を引き継ぐことがあります。短期間であれば対応できても、それが数週間、数か月と続けば、他のメンバーにも疲労が蓄積します。

本人への配慮だけではなく、チーム全体の業務量を見る必要があります。

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仕事を特定の社員へ集中させない

不調者の仕事を引き継ぐ際、仕事ができる社員へ多くの業務が集まることがあります。本人が断らず対応しているため、管理職が負担増加に気付かないケースもあります。

誰が何を引き継いだのかを整理し、残業時間や休日出勤なども含めて確認することが重要です。

管理職自身の負担にも注意する

産業医が解説する管理職がやってはいけないメンタル不調対応
メンタル不調対応では「良かれと思った行動」が逆効果になるケースがあります。

部下がメンタル不調になると、管理職は本人との面談、人事との調整、業務の再配分などを担当することがあります。その一方で、自分自身の通常業務は減っていないことも少なくありません。

不調者への対応を直属上司だけに任せず、人事などが支援することも必要です。

チームへ病状を詳しく説明する必要はない

突然の欠勤や休職があると、周囲から「何があったのか」と質問されることがあります。しかし、病名や治療内容などの健康情報を本人の了承なく詳しく共有することは避ける必要があります。

チームには、休職期間の見通しや業務分担など、仕事を進めるうえで必要な情報を中心に伝えます。

情報が少なすぎても憶測が広がることがある

産業医や人事担当者が就業判断のために書類を確認・記入している様子
就業判断や配置転換では、記録と手順の整理が重要です。

一方で、何も説明しないまま業務だけを周囲へ振り分けると、「なぜ自分たちだけ仕事が増えるのか」と不満につながることがあります。

個人の健康情報を守りながら、「一定期間休む予定である」「当面はこの体制で対応する」など、業務上必要な範囲の説明を行うことが現実的です。

不調者を特別扱いしすぎない

メンタル不調の社員に対して、周囲が必要以上に気を遣うことがあります。特に復職後、「仕事を頼んではいけないのではないか」と考え、本人だけ仕事がほとんどない状態になるケースがあります。

必要な配慮は行いつつ、できる仕事については通常のチームメンバーとして担当してもらうことも重要です。

復職後の業務量は段階的に戻す

産業医が社員の話を丁寧に聞き、面談を行っている様子
早めに相談することで、問題は大きくなりません。

反対に、復職した直後から休職前と同じ仕事量へ戻すことにも注意が必要です。

最初は業務量や残業などを調整し、勤務が安定していることを確認しながら段階的に戻します。どの程度の配慮が必要かについては、産業医面談を活用することもできます。

チーム内の人間関係も確認する

不調の背景に、チーム内の人間関係が関係していることもあります。ただし、本人の話だけで原因を決めつけることは避けた方がよいでしょう。

業務量、役割分担、コミュニケーション、上司との関係などを整理し、必要に応じて人事とも連携して状況を確認します。

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同じチームから不調者が続く場合は振り返る

一人のメンタル不調だけで、チームに問題があるとは判断できません。しかし、同じチームから短期間に複数の休職者や不調者が出ている場合には、職場側の状況も確認する意味があります。

長時間労働、人員不足、特定社員への業務集中、管理職の負担など、共通する要因がないかを確認します。

チーム全体の残業時間を見る

デスクに置かれた聴診器とパソコン周辺機器。産業医による健康管理やメンタルヘルス支援、職場の健康づくりをイメージした画像。
産業医による健康管理やメンタルヘルス対策は、働く人が安心して働ける職場づくりにつながります。

不調者本人の残業時間だけを確認していると、業務が他の社員へ移った後の問題を見落とすことがあります。

休職者が出た後に、同じチームの残業時間が急増していないかを見ることで、新たな不調を予防する手掛かりになります。

相談しやすいチームづくりも重要

不調を完全に防ぐことは困難ですが、体調が悪化したときに早めに相談できる環境を作ることはできます。

上司だけでなく、人事や産業医など複数の相談先を設けておくことで、社員が一人で抱え込みにくくなります。

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産業医はチーム全体の状況を見ることもある

産業医面談は個人への対応が中心ですが、同じ部署から不調者が続いている場合などには、個別面談だけでなく職場環境にも目を向けます。

個人の健康情報を守りながら、人事や管理職と業務量、勤務時間、職場環境などについて検討することがあります。

これまでの産業医経験を踏まえて

青空と緑豊かな木々が広がる自然風景。働く人の健康や職場環境、メンタルヘルスをイメージした画像。
働く人が安心して力を発揮できる職場づくりには、心身の健康と良好な職場環境が大切です。

これまで産業医としてメンタル不調者の面談を行ってきましたが、本人への配慮が適切でも、その仕事を引き継いだ社員が疲弊しているケースは実際にあります。特に、仕事ができる社員や責任感の強い社員へ業務が集中すると、表面上は問題なく職場が回っているように見えるため注意が必要です。また、復職時には周囲が過度に気を遣い、本人へ仕事をほとんど任せないことが別の負担になる場合もあります。メンタル不調への対応では一人の社員だけを見るのではなく、本人への配慮とチーム全体の業務負荷を同時に確認することが重要だと考えています。

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まとめ

職場における思いやりや配慮、メンタルヘルス支援を象徴するハートのイメージ画像
従業員への配慮や支援の姿勢が、職場の安心感につながります

社員のメンタル不調は、本人だけでなくチームの業務量や人間関係にも影響することがあります。不調者への配慮を行う一方で、仕事を引き継ぐ社員や管理職の負担にも目を向けることが重要です。健康情報は必要な範囲で取り扱い、業務分担や復職後の仕事量を具体的に調整します。同じチームから不調者が続く場合には、個人への対応だけで終わらせず、業務量や職場環境を振り返ることも企業のメンタルヘルス対策につながります。

この記事の執筆者

Dr.Y(精神科医・産業医)

国立大学医学部を卒業後、都内の基幹病院で初期研修を修了。 その後、首都圏の急性期精神科病院に勤務し、 統合失調症、双極性障害、うつ病、依存症、認知症など 幅広い精神疾患の診療に従事。
現在は複数企業の選任産業医として、 復職支援、メンタルヘルス不調者対応、労務トラブル予防、 組織改善支援を行っている。

※本記事は精神科医・産業医としての専門的知見に基づき執筆しています。 個人が特定されないよう配慮し、プライバシー保護を最優先としています。

企業のメンタルヘルス対応で、判断に迷ったら

本記事は一般的な考え方をまとめたものです。 休職・復職対応、産業医面談、職場配慮の判断は、 企業の状況や従業員の状態によって異なります。

社内だけで判断が難しい場合は、 精神科専門の産業医に相談することで、 リスクを抑えた対応が可能になるケースもあります。

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