再休職と人間関係の関係は?復職後に企業が確認したい職場のポイント

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再休職では、上司や同僚との関係だけでなく、孤立や業務負荷など複数の要因を整理することが重要です。

休職していた社員が復職した後、再び体調を崩して休職する「再休職」が起こることがあります。その背景として見落とされやすいのが、職場の人間関係です。休職前から上司や同僚との関係に悩んでいた場合、同じ職場へ戻ることで再び負担が強くなることがあります。一方で、「人間関係が原因なら異動させればよい」と単純に考えることも適切ではありません。本人の受け止め方、仕事内容、業務負荷など複数の要因が関係していることもあります。本記事では、再休職と人間関係について、企業が復職支援で確認したいポイントを産業保健の視点から解説します。

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人間関係が再休職に影響することはある

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職場での「気づき」や判断の重要性を象徴するイメージ

上司との関係、同僚とのコミュニケーション、チーム内での孤立などが本人にとって大きなストレスとなることがあります。特に休職前から同じ問題を抱えていた場合には、復職によって再びストレス要因へ接することになります。

「人間関係が原因」という言葉だけで判断しない

本人から「上司が原因です」「職場の人間関係で体調を崩しました」と説明されることがあります。ただし、その言葉だけで原因を確定することはできません。具体的にどのような出来事があり、何が本人の負担となっていたのかを整理することが重要です。

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上司との関係を確認する

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判断に迷う場面こそ、冷静な視点と専門的な助言が求められます

業務指示の方法、コミュニケーションの頻度、叱責や評価への受け止め方など、上司との関係が体調へ影響している場合があります。復職後も同じ上司のもとで勤務する場合には、必要に応じて指示方法や相談経路を整理します。

同僚との関係にも注意する

休職中に業務を引き継いだ同僚との間で、本人が申し訳なさを感じていることがあります。また、周囲がどのように接してよいか分からず、必要以上に距離を取ってしまうこともあります。

明確な対立がなくても、こうした微妙な距離感が復職後の孤立につながることがあります。

復職後に孤立するケースがある

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対応で判断に迷い、頭を抱える企業担当者。対応ルールがないとトラブルにつながることもあります。

復職者への配慮として仕事を減らした結果、会議やチーム業務から外され、本人が孤立することがあります。業務負荷を下げることと、職場での役割をなくすことは同じではありません。

無理のない範囲で本人がチームの一員として関われる業務を残すことも重要です。

周囲へ病状を詳しく説明する必要はない

人間関係を改善するためであっても、本人の病名や治療内容を同僚へ広く共有する必要はありません。健康情報は必要な範囲に限定し、上司には残業制限や業務上の配慮など、就業管理に必要な内容を中心に共有します。

本人と上司だけで解決させない

産業医が解説する管理職がやってはいけないメンタル不調対応
メンタル不調対応では「良かれと思った行動」が逆効果になるケースがあります。

人間関係に問題がある場合、本人と直属の上司だけで話し合うことで、かえって負担が強くなるケースがあります。必要に応じて人事担当者や産業保健スタッフなど第三者が入り、状況を整理することも検討します。

異動すれば解決するとは限らない

特定の人間関係から離れることで状態が安定するケースはあります。一方、新しい部署へ異動すると、新たな上司や同僚との関係を一から構築しなければなりません。仕事内容も変われば、復職と環境適応を同時に求めることになります。

そのため、人間関係の問題があるという理由だけで、すぐに異動を決めることには慎重さが必要です。

元の部署で調整できることもある

産業医が社員の話を丁寧に聞き、面談を行っている様子
早めに相談することで、問題は大きくなりません。

部署全体を変更しなくても、指揮命令系統を調整する、担当業務を変更する、特定の社員との業務上の接点を減らすなどの方法で負担を軽減できる場合があります。

まず「何が負担なのか」を具体化すると、異動以外の選択肢も検討しやすくなります。

本人の希望と会社の判断を分ける

本人から「この上司の下では働けない」「異動できなければ復職できない」と希望が出ることがあります。本人の意向を確認することは重要ですが、本人の希望がそのまま医学的に必要な配慮になるわけではありません。

産業医の意見や会社の人員配置上の事情なども含めて検討します。

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復職後の人間関係を面談で確認する

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メンタル対応を「コスト」ではなく「投資」として設計した企業ほど、組織は回復していきます

復職後の面談では体調や睡眠だけでなく、職場で困っていることがないか、上司へ相談できているか、同僚との関係に変化がないかなども確認します。

「人間関係は大丈夫ですか」と聞くだけではなく、「困ったときに誰へ相談していますか」など具体的に確認すると状況を把握しやすくなります。

人間関係だけを原因にしない

本人が人間関係を強く訴えていても、実際には長時間労働、業務量、睡眠不足などが同時に存在している場合があります。反対に、業務量だけを調整しても、人間関係による負担が残っていれば状態が改善しないこともあります。

再休職の背景は複数の要因に分けて整理することが重要です。

ハラスメントの可能性は別途確認する

デスクに置かれた聴診器とパソコン周辺機器。産業医による健康管理やメンタルヘルス支援、職場の健康づくりをイメージした画像。
産業医による健康管理やメンタルヘルス対策は、働く人が安心して働ける職場づくりにつながります。

本人から具体的な暴言、威圧的な対応、継続的な嫌がらせなどの訴えがある場合には、健康管理上の問題だけで処理しないことが重要です。必要に応じて人事・労務部門の相談窓口につなぎ、会社として事実確認を行う必要があります。

再休職した場合は経過を振り返る

人間関係が関係して再休職した可能性がある場合には、復職後の経過を時系列で整理します。どのような出来事の後に睡眠が悪化したのか、欠勤が増えたのか、誰とのやり取りを負担に感じていたのかなどを確認します。

こうした情報は、次回の復職条件を考える際にも役立ちます。

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産業医面談を活用する

人間関係と健康状態の関係を会社だけで判断することが難しい場合には、産業医面談を活用します。産業医は本人の訴えだけでなく、症状、勤務状況、仕事内容などを確認し、健康上必要な就業上の配慮について意見を示します。

これまでの産業医経験を踏まえて

青空と緑豊かな木々が広がる自然風景。働く人の健康や職場環境、メンタルヘルスをイメージした画像。
働く人が安心して力を発揮できる職場づくりには、心身の健康と良好な職場環境が大切です。

これまで産業医として休職・復職の面談に関わってきましたが、人間関係が絡むケースでは「誰が悪いのか」という議論だけにならないことが重要だと感じています。本人は上司との関係を強い負担として訴えていても、詳しく確認すると、復職後に業務量が急激に戻ったことや、相談できる相手がいなくなったことなど、複数の要因が重なっている場合があります。一方で、特定の上司との接点を調整したことで勤務が安定したケースもあります。重要なのは「人間関係」という大きな言葉だけで整理せず、誰との、どのような場面が、どの程度の負担になっているのかを具体化することです。そのうえで、業務調整、相談経路の変更、配置の検討など、実行可能な対応へ落とし込むことが安定した復職支援につながると感じています。

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まとめ

職場における思いやりや配慮、メンタルヘルス支援を象徴するハートのイメージ画像
従業員への配慮や支援の姿勢が、職場の安心感につながります

再休職には人間関係が影響している場合がありますが、「人間関係が原因だから異動」という単純な対応では十分ではありません。上司や同僚との具体的な関係、孤立、業務負荷、本人の健康状態などを整理し、何が負担になっているのかを確認することが重要です。必要に応じて人事や産業医が関与し、業務調整や相談体制の整備、配置変更などを検討することが、再休職の予防と安定した就業継続につながります。

この記事の執筆者

Dr.Y(精神科医・産業医)

国立大学医学部を卒業後、都内の基幹病院で初期研修を修了。 その後、首都圏の急性期精神科病院に勤務し、 統合失調症、双極性障害、うつ病、依存症、認知症など 幅広い精神疾患の診療に従事。
現在は複数企業の選任産業医として、 復職支援、メンタルヘルス不調者対応、労務トラブル予防、 組織改善支援を行っている。

※本記事は精神科医・産業医としての専門的知見に基づき執筆しています。 個人が特定されないよう配慮し、プライバシー保護を最優先としています。

企業のメンタルヘルス対応で、判断に迷ったら

本記事は一般的な考え方をまとめたものです。 休職・復職対応、産業医面談、職場配慮の判断は、 企業の状況や従業員の状態によって異なります。

社内だけで判断が難しい場合は、 精神科専門の産業医に相談することで、 リスクを抑えた対応が可能になるケースもあります。

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